Home > 読み物

読み物 Archive

スタードックスカフェ エピソード0 最終回

スタードッグスカフェ エピソード0 最終話

第1話 → 第2話 → 最終話と続いております。
もしよろしければ、1話から読んでいただけると嬉しいです。


【駄洒落が多い事】、【体が全体的に布っぽい事】、【耳のピンクが鮮やか過ぎる事】などから、清三郎が偽者と入れ替わっていることに気づいた新&下僕。


「なっ、なんや~!」
偽清三郎に詰め寄る二人。


「お前は誰っスか?本物の兄さんをどこに隠したっスか!!」


新と下僕のプレッシャーに思わずひるむ清三郎(布製)。
「なっ、何を言ってるんや?新は。清三郎やワイやで?」

(布製だから)表情を変えずに答える清三郎(偽)。しかしうわずった声は隠せない。


「もうまるっとお見通しっスよ。偽清三郎兄さん!」


裁判ドラマで相手側の矛盾点を見つけた弁護士の様にびしっと指を突き立てる新。


「新、何を言っているのか全然わからんで?ずっと一緒にやって来たやろ?ワイが清三郎や」

「まだシラを切る気っスか?・・・・・・確かに偽兄さんの擬態は完璧だったっス。僕ちゃんも下僕くんもすっかり騙されてしまったっス・・・」


そこで声のトーンを抑える新。
完全に自分の世界に酔っているようだ。


「だがしか~し!僕ちゃんの目は騙せないっス。偽兄さんは一つだけ大きなミスを犯してしまったっス」


「なっ何や・・・」

「その耳っス!兄さんの耳はそんなにピンクが鮮やかじゃないっス!


「っつ。そうか・・・。気づかんかった・・・」

ガクっと膝から崩れ落ちる清三郎(偽)。


「僕ちゃんと清三郎兄さんはセットっス!短足兄弟の絆を甘く見ないで欲しいっス!」

「よく言った・・・。新!」

全員の視線が声の主に集まる。
そこには、ダンボール箱に入れられた清三郎の姿が!







sei_hako.jpg



「くっ!兄さん。完全に箱に入れたはずなのにどうやって!?」
いち早く反応したのは偽清三郎だった。
そこにいるはずのない存在が現れたのだ。その胸中は穏やかではいられないだろう。


「フフフ。お前が勝利を確信した瞬間に、ワイの勝利は決まっとったんや!詰めが甘かったの~」


「兄さん!」
新と下僕の声が重なる。


「まさか・・・」


「そうや。箱ごとジャンプして来たんや~!ぴょんぴょんとな!」


全員がその滑稽な姿を想像して言葉を失う。


「もう観念するんやな。ワイが出てきたからには、もうシラは切りとおせへんで~」

膝をついてうなだれる清三郎(偽)は観念したのか、ゆっくりと清三郎、新、下僕の順に顔を見渡した。
その表情は清々しい。

ミステリー小説とかドラマなら犯行理由を自白するシーンだ。

「あ~あ。せっかく上手くやれていると思ったのに・・・。残念」

それだけ言い残すと、何かが抜け落ちたかのようにその場に崩れ落ちた。
不思議なことに、見る見るうちにその姿が変わっていく。







nise_sugata.jpg




「元の姿に戻ったようやな」

「どういうことっスか?兄さん」
事情を飲み込めない新と下僕はお互いに顔を見合わせている。

「説明は後や。まずはワイをこの箱からだすんや」



「結局どういうことだったっスか?」

「ワイも全部完璧に分っている訳やないのやけど・・・、アイツは気づいて欲しかったんやと思う・・・・。箱に入っている間、少しやけど、アイツの声が聞こえたんや・・・」

清三郎が語ったことは、新と下僕を驚愕させた。


偽者はかつて下僕が清三郎に買い与えたぬいぐるみだった。

その愛らしい姿と噛んでも噛んでも壊れない頑丈さから、清三郎はもとより下僕や飼い主からも愛される存在であったが、やがて時が経つにつれてその存在自体を忘れ去られていった。


かつて人間は、人の姿をしているものには魂が宿ると考えていた。
その最たるものが人形だろう。
土偶、雛人形、ぬいぐるみ、わら人形。

人型に魂が宿る物語は探せばいくらでも見つけることが出来る。


「アレは・・・ワイになりたかった訳じゃないんやと思う。ワイや新や下僕や飼い主殿にもう一度、自分を見て欲しかったんやと思う」

清三郎の言葉に誰も何も言うことが出来なかった。


「捨てられることよりも、忘れられることが一番辛かったんだと思うで・・・。くだらない駄洒落も、アイツなりの精一杯のアピールやったんやと思う」




「ワイや~!ワイや~!ワイヤードヘアーや!」



「消える瞬間、アイツの声が聞こえたんや。だからワイはこう言うんや・・・。

お前には毛があらへんやろっ!

ってな。思いっきり頭を叩いてツッコミを入れてやるんや」


「あ~。すっかり偽兄さんは駄洒落キャラが定着しちゃったっスね。駄洒落を聞くたびに偽兄さんのことを思い出しちゃうっス」

新の言葉に大きく頷く下僕であった。
「まるでサブリミナル効果だね。軽い洗脳だよ(笑)」

「洗脳(せんのう)なんてさせんの~」

「偽清三郎兄さんは駄洒落の中に生きつづけるっス」




おしまい。



長い話にお付き合い頂きありがとうございます。
人に読んでもらって始めて物語の存在価値が生まれると思います。
あなたに読んでいただいて、この物語も喜んでいると思います。

読んでいただいて、本当にありがとうございます。

kazuya

【クリックありがとうございます☆】
bana2_mura.jpg

bana2_pet.jpg

スタードックスカフェ エピソード0 その2

エピソード0 その2

エピソード0 その1の続きです。
その1から読んでもらえるとうれしいです。

清三郎が監禁され、はや3時間が経過していた。
その間も【短足兄弟!】の収録は行われていたが誰一人として異変に気づくことなく時間だけが過ぎ去っていった。

「あらた~!早く気づくんや~。ワイはここや~!外にいるのは偽者やで~!」

暗闇の中に清三郎の叫びが響く。
しかし堅く閉ざされた扉は、清三郎の声を外には届けてくれなかった。
すこしずつ憔悴していく清三郎。
その声が少しずつ、だか確実に力を失っていることに清三郎自身も気がついていない。
 
 
一方その頃、新はというと・・・・。

「ワイや~!ワイや~!ワイヤードヘアーや!針金のように剛毛やで~」

「新(あらた)だけに、改(あらた)めて仕切りなおしや~!」

「ガハハハハッ!」

nise-seisei.jpg


清三郎(偽)の駄洒落に手を焼いていた。


「な~んか、兄さんの様子がちょっとおかしい気がするっス。ねえ下僕くんもそう思わないっスか?」
 新の言葉に大きく頷く下僕。
「兄さんは【ドイツ生まれ】だとか、【ドイツ時代】とか言って、ちょっと虚言癖があったっスけど、こんなに駄洒落を言う人じゃなかったっス!」
「ちょっと様子がおかしいね。これじゃあまるで【人が変わった】ようだ」
顔を見合わせる下僕と新。
一瞬のアイコンタクトで情報を共有する二人。

“コイツ、兄さんじゃない!?”

「そういえば、体が全体的に布っぽいっス!」
「耳のピンクが鮮やか過ぎる!」

やっと清三郎の身に何かがあったことに気づいた二人。
 
っていうか、見れば一発で偽者だって分るじゃん。
というツッコミをぐっと我慢して、次回 最終話『清三郎(偽)の想い』に続く!!


【クリックありがとうございます☆】
bana2_mura.jpg

bana2_pet.jpg

スタードックスカフェ エピソード0 その1

スタードックスカフェ エピソード0 

その1

「こんなことしてただで済むと思うなよ!」

暗闇が支配する部屋に、清三郎の声が響く。口に詰め物をされているのか、その声はくぐもっていて聞き取りづらい。

清三郎の声を聞いて、部屋を出ようとしていた”彼”がゆっくりと振り返る。
その口元には余裕の笑みが浮かんでいる。
絶対的優位な立場にいるものが浮かべる、嫌な笑みだ。

「兄さんはそこでゆっくり眠っていてください。大丈夫。後のことは僕が上手くやっておきますから。ずっと思っていたんです。僕の方が上手くやれるんじゃないかって・・・」

彼の顔から笑みが消える。
そこに浮かんだ表情を清三郎は読み取ることができなかった。

「あらた~!下僕!だまされるな~!そいつはワイやないで・・・そいつは!そいつは!・・・」

扉が閉ざされる。
清三郎の声は誰にも届かないまま闇の中に消えていった。







nise.jpg

???「今日からはワイが清三郎や~」


次回予告。
ついに動き始めた偽清三郎兄さん。
ここまま短足兄弟は乗っ取られてしまうのか?
ネタが枯渇してきたので物語風にしてみたが、続きは書けるのか?

色々な不安を抱えつつ、次回に続きます。


bana1_mura.jpg

bana1_pet.jpg


Home > 読み物

Search
Feeds

Page Top